イ 身体介護が中心である場合
⑴ 所用時間20分未満の場合 167単位
⑵ 所要時間20分以上30分未満の場合 250単位
⑶ 所要時間30分 以上1時間未満の場合 396単位
⑷ 所要時間1時間以上の場合 579単位に所要時間 1時間から計算して所要時間30分を増すごとに84単位を加算した単位数
ロ 生活援助が中心である場合
⑴ 所要時間20分以上45分未満の場合 183単位
⑵ 所要時間45分以上の場合 225単位
八 通院等のための乗車又は降車の介助が中心である場合
99単位
〔算定の原則〕
注 1 指定訪問介護事業所〔指定居宅サービス等の事業の人員,設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37 号。以下「指定居宅サービス基準」という)第 5条第 1項に規定する指定訪問介護事業所をいう。以下同じ〕の訪問介護員等(同項に規定する訪問介護員等をいう。以下同じ)が,利用者〔介護保険法施行令(平成10年政令第 412号)第 3条第 1項第 2号に規定する厚生労働大臣が定める者〔指定居宅介護等の提供に当たる者として厚生労働大臣が定めるもの(平成18年厚生労働省告示第538号。注 9において「居宅介護従業者基準」という)第 1条第 3 号,第 8号及び第13号に規定する者を除く〕が指定訪問介護(指定居宅サービス基準第4条に規定する指定訪問介護をいう。以下同じ)を行う場合にあっては,65歳に達した日の前日において,当該指定訪問介護事業所において事業を行う事業者が指定居宅介護〔障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員,設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号。以下「指定障害福祉サービス等基準」という)第 4条第 1項に規定する指定居宅介護をいう〕又は重度訪問介護〔障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第 5条第 3項に規定する重度訪問介護をいう。注 9において同じ〕に係る指定障害福祉サービス(同法第29条第 1項に規定する指定障害福祉サービスをいう。注9において同じ)の事業を行う事業所において,指定居宅介護又は重度訪問介護に係る指定障害福祉サービスを利用していた者に限る〕に対して,指定訪問介護を行った場合に,現に要した時間ではなく,訪問介護計画(指定居宅サービス基準第24条第 1項に規定する訪問介護計画をいう。以下同じ)に位置付けられた内容の指定訪問介護を行うのに要する標準的な時間で所定単位数を算定する。
〔身体介護中心の算定の原則〕
2 イについては,訪問介護員等〔介護福祉士,介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)第22条の23第 1項に規定する介護職員初任者研修課程を修了した者及び介護保険法施行令第 3条第 1項第2号に規定する者に限る。注4において同じ〕が,身体介護(利用者の身体に直接接触して行う介助並びにこれを行うために必要な準備及び後始末並びに利用者の日常生活を営むのに必要な機能の向上等のための介助及び専門的な援助をいう。以下同じ)が中心である指定訪問介護を行った場合に所定単位数を算定する。なお,身体介護が中心である指定訪問介護の所要時間が20分未満である場合は,イ(1)の所定単位数を,身体介護が中心である指定訪問介護の所要時間が20分未満であって,かつ,別に厚生労働大臣が定める基準(※告示95・ 1)に適合するものとして都道府県知事〔地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第 1項の指定都市(以下「指定都市」という)及び同法第252条の22 第1項の中核市(以下「中核市」という)にあっては,指定都市又は中核市の市長。以下同じ〕に届け出た指定訪問介護事業所において,別に厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者(※告示94・ 1)に対して行われる場合は,イ(1)の所定単位数を当該算定月における 1月当たりの訪問介護費を指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)の別表指定地域密着型サービス介護給付費単位数表の定期巡回・随時対応型訪問介護看護費のイ(1)のうち当該利用者の要介護状態区分に応じた所定単位数を限度として,それぞれ算定する。
〔生活援助中心の算定の原則〕
3 ロについては,単身の世帯に属する利用者又は家族若しくは親族(以下「家族等」という)と同居している利用者であって,当該家族等の障害,疾病等の理由により,当該利用者又は当該家族等が家事を行うことが困難であるものに対して,生活援助〔調理,洗濯,掃除等の家事の援助であって,これを受けなければ日常生活を営むのに支障が生する介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という)第 8条第2項に規定する居宅要介護者に対して行われるものをいう)が中心である指定訪問介護を行った場合に所定単位数を算定する。
〔通院等のための乗降介助中心の算定の原則〕
4 ハについては,利用者に対して,通院等のため,指定訪問介護事業所の訪問介護員等が,自らの運転する車両への乗車又は降車の介助を行うとともに,併せて,乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助又は通院先若しくは外出先での受診等の手続き,移動等の介助(以下「通院等乗降介助」という)を行った場合に 1回につき所定単位数を算定する。
〔身体介護に引き続き生活援助を行った場合〕
5 身体介護が中心である指定訪問介護を行った後に引き続き所要時間20分以上の生活援助が中心である指定訪問介護を行った場合〔イ(1)の所定単位数を算定する場合を除く〕は,イの所定単位数にかかわらず,イの所定単位数に当該生活援助が中心である指定訪問介護の所要時間が20分から計算して 25分を増すごとに67単位(201単位を限度とする)を加算した単位数を算定する。
〔2人の介護職員等の場合〕
6 イ及び口については,別に厚生労働大臣が定める要件(※告示94・ 3)を満たす場合であって,同時に 2人の訪問介護員等が 1人の利用者に対して指定訪問介護を行ったときは,所定単位数の100分の200に相当する単位数を算定する。
〔夜間・早朝・深夜加算〕
7 夜間(午後6時から午後10時までの時間をいう。以下同じ)又は早朝(午前6時から午前8時までの時間をいう。以下同じ)に指定訪問介護を行った場合は, 1 回につき所定単位数の100分の25に相当する単位数を所定単位数に加算し,深夜(午後10時から午前 6時までの時間をいう。以下同じ)に指定訪問介護を行った場合は, 1回につき所定単位数の100分の 50に相当する単位数を所定単位数に加算する。
〔特定事業所加算〕
8 別に厚生労働大臣が定める基準(※告示95・ 3)に適合しているものとして都道府県知事に届け出た指定訪問介護事業所が,利用者に対し,指定訪問介護を行った場合は,当該基準に掲げる区分に従い, 1回につき次に掲げる単位数を所定単位数に加算する。ただし,特定事業所加算(Ⅲ)及び特定事業所加算(V)を同時に算定する場合を除き,次に掲げるいずれかの加算を算定している場合においては,次に掲げるその他の加算は算定しない。
(1) 特定事業所加算(Ⅰ)所定単位数の100分の20 に相当する単位数
(2) 特定事業所加算(Ⅱ)所定単位数の100分の10 に相当する単位数
(3) 特定事業所加算(Ⅲ)所定単位数の100分の10 に相当する単位数
(4) 特定事業所加算(Ⅳ) 所定単位数の100分の 5 に相当する単位数
(5) 特定事業所加算(V)所定単位数の100分の 3 に相当する単位数
※「別に厚生労働大臣が定める基準」=厚生労働大臣が定める基準第3号
〔共生型訪問介護〕
9 共生型居宅サービス(指定居宅サービス基準第2条第7号に規定する共生型居宅サービスをいう。以下同じ)の事業を行う指定居宅介護事業者(指定障害福祉サービス等基準第5条第 1項に規定する指定居宅介護事業者をいう)が当該事業を行う事業所(以下この注において「共生型居宅サービスを行う指定居宅介護事業所」という)において,居宅介護従業者基準第 1条第 4 号,第 9号,第14号又は第19号から第22号までに規定する者が共生型訪問介護(指定居宅サービス基準第39条の2に規定する共生型訪問介護をいう。以下この注において同じ)を行った場合は, 1回につき所定単位数の100分の70に相当する単位数を算定し,共生型居宅サービスを行う指定居宅介護事業所において,居宅介護従業者基準第 1条第 5号,第10 号又は第15号に規定する者が共生型訪問介護を行った場合は, 1回につき所定単位数の100分の93 に相当する単位数を算定し,共生型居宅サービスの事業を行う重度訪問介護に係る指定障害福祉サービスの事業を行う者が当該事業を行う事業所において共生型訪問介護を行った場合は, 1回につき所定単位数の100分の93に相当する単位数を算定する。
〔事業所と同一建物居住の場合の減算〕
10 指定訪問介護事業所の所在する建物と同一の敷地内若しくは隣接する敷地内の建物若しくは指定訪問介護事業所と同一の建物(以下この注において「同一敷地内建物等」という)に居住する利用者(指定訪問介護事業所における 1月当たりの利用者が同一敷地内建物等に50人以上居住する建物に居住する利用者を除く)又は指定訪問介護事業所における 1月当たりの利用者が同一の建物に20人以上居住する建物(同一敷地内建物等を除く)に居住する利用者に対して,指定訪問介護を行った場合は, 1回につき所定単位数の100分の90に相当する単位数を算定し,指定訪問介護事業所における 1月当たりの利用者が同一敷地内建物等に50人以上居住する建物に居住する利用者に対して,指定訪問介護を行った場合は, 1回につき所定単位数の100分の85に相当する単位数を算定する。
〔特別地域訪問介護加算〕
11 別に厚生労働大臣が定める地域(※告示120)に所在する指定訪問介護事業所(その一部として使用される事務所が当該地域に所在しない場合は,当該事務所を除く)又はその一部として使用される事務所の訪問介護員等が指定訪問介護を行った場合は,特別地域訪問介護加算として, 1回につき所定単位数の100分の15に相当する単位数を所定単位数に加算する。
〔中山間地域等小規模事業所加算〕
12 別に厚生労働大臣が定める地域(※告示83・ 1)に所在し,かつ,別に厚生労働大臣が定める施設基準(※告示96・ 1)に適合する指定訪問介護事業所(その一部として使用される事務所が当該地域に所在しない場合は,当該事務所を除く)又はその一部として使用される事務所の訪問介護員等が指定訪問介護を行った場合は, 1回につき所定単位数の100分の10に相当する単位数を所定単位数に加算する。
〔中山間地域等居住者サービス提供加算〕
13 指定訪問介護事業所の訪問介護員等が,別に厚生労働大臣が定める地域(※告示83・ 2)に居住している利用者に対して,通常の事業の実施地域(指定居宅サービス基準第29条第5号に規定する通常の事業の実施地域をいう)を越えて,指定訪問介護を行った場合は, 1回につき所定単位数の100 分の 5に相当する単位数を所定単位数に加算する。
〔緊急時訪問介護加算〕
14 イについて,利用者又はその家族等からの要請に基づき,指定訪問介護事業所のサービス提供責任者(指定居宅サービス基準第5条第2項のサービス提供責任者をいう。以下同じ)が指定居宅介護支援事業所〔指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第 2条第 1項に規定する指定居宅介護支援事業所をいう。以下同じ〕の介護支援専門員と連携し,当該介護支援専門員が必要と認めた場合に,当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等が当該利用者の居宅サービス計画(法第8条第23項に規定する居宅サービス計画をいう。以下同じ)において計画的に訪問することとなっていない指定訪問介護を緊急に行った場合は,1回につき100単位を加算する。
〔算定制限〕
15 利用者が短期入所生活介護,短期入所療養介護若しくは特定施設入居者生活介護又は定期巡回・随時対応型訪問介護看護,小規模多機能型居宅介護,認知症対応型共同生活介護,地域密着型特定施設入居者生活介護,地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護若しくは複合型サービスを受けている間は,訪問介護費は,算定しない。ただし,定期巡回・随時対応型訪問介護看護を受けている利用者に対して,通院等乗降介助の提供を行った場合は,ハの所定単位数を算定する。
二 初回加算 200単位
注 指定訪問介護事業所において,新規に訪問介護計画を作成した利用者に対して,サービス提供責任者が初回の指定訪問介護を行った場合又は当該指定訪問介護事業所のその他の訪問介護員等が初回若しくは初回の指定訪問介護を行った日の属する月に指定訪問介護を行った際にサービス提供責任者が同行した場合は, 1月につき所定単位数を加算する。
ホ 生活機能向上連携加算
⑴ 生活機能向上連携加算(Ⅰ) 100単位
⑵ 生活機能向上連携加算(Ⅱ) 200単位
注1 (1)について,サービス提供責任者が,指定訪問リハビリテーション事業所(指定居宅サービス基準第76条第 1項に規定する指定訪問リハビリテーション事業所をいう。以下同じ),指定通所リハビリテーション事業所(指定居宅サービス基準第111条第 1 項に規定する指定通所リハビリテーション事業所をいう。以下同じ)又はリハビリテーションを実施している医療提供施設〔医療法(昭和23年法律第205 号)第 1条の2第 2項に規定する医療提供施設をいい,病院にあっては,許可病床数が200床未満のもの又は当該病院を中心とした半径4キロメートル以内に診療所が存在しないものに限る。注2において同じ〕の医師,理学療法士,作業療法士又は言語聴覚士の助言に基づき,生活機能の向上を目的とした訪問介護計画を作成し,当該訪問介護計画に基づく指定訪問介護を行ったときは,初回の当該指定訪問介護が行われた日の属する月に,所定単位数を加算する。
2 (2)について,利用者に対して,指定訪問リハビリテーション事業所,指定通所リハビリテーション事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設の医師,理学療法士,作業療法士又は言語聴覚士が,指定訪問リハビリテ―ション(指定居宅サービス基準第75条に規定する指定訪問リハビリテーションをいう。以下同じ),指定通所リハビリテーション(指定居宅サービス基準第110条に規定する指定通所リハビリテーションをいう。以下同じ)等の一環として当該利用者の居宅を訪問する際にサービス提供責任者が同行する等により,当該医師,理学療法士,作業療法士又は言語聴覚士と利用者の身体の状況等の評価を共同して行い,かつ,生活機能の向上を目的とした訪問介護計画を作成した場合であって,当該医師,理学療法士,作業療法士又は言語聴聴覚士と連携し,当該訪問介護計画に基づく指定訪問介護を行ったときは,初回の当該指定訪問介護が行われた日の属する月以降 3月の間, 1月につき所定単位数を加算する。ただし,(1)を算定している場合は,算定しない。
へ 認知症専門ケア加算
注 別に厚生労働大臣が定める基準(※告示95・ 3の2)に適合しているものとして都道府 1 県知事に届け出た指定訪問介護事業所において,別に厚生労働大臣が定める者(※告示94・ 3の 2)に対して専門的な認知症ケアを行った場合は,当該基準に掲げる区分に従い, 1日につき 1 次に掲げる所定単位数を加算する。ただし,次に掲げるいずれかの加算を算定している場合においては,次に掲げるその他の加算は算定しない。
(1)認知症専門ケア加算(Ⅰ) 4単位
(2)認知症専門ケア加算(Ⅱ) 3単位
※「別に厚生労働大臣が定める基準」=厚生労働大臣が定める基準第3号の2
※「別に厚生労働大臣が定める者」=厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等第3号の2
卜 介護職員処遇改善加算
注 別に厚生労働大臣が定める基準(※告示95・ 4)に適合している介護職員の賃金の改善等を実施しているものとして都道府県知事に届け出た指定訪問介護事業所が,利用者に対し,指定訪問介護を行った場合は,当該基準に掲げる区分に従い,令和 6年 3月 31日までの間,次に掲げる単位数を所定単位数に加算する。ただし,次に掲げるいずれかの加算を算定している場合においては,次に掲げるその他の加算は算定しない。
(1)介護職員処遇改善加算(Ⅰ) イからへまでにより算定した単位数の1000分の137に相当する単位数
(2)介護職員処遇改善加算(Ⅱ) イからへまでにより算定した単位数の1000分の100に相当する単位数
(3)介護職員処遇改善加算(Ⅲ) イからへまでにより算定した単位数の1000分の55に相当する単位数
※「別に厚生労働大臣が定める基準」=厚生労働大臣が定める基準第4号
チ 介護職員等特定処遇改善加算
注 別に厚生労働大臣が定める基準(※告示95・ 4 の 2)に適合している介護職員等の賃金の改善等を実施しているものとして都道府県知事に届け出た指定訪問介護事業所が,利用者に対し,指定訪問介護を行った場合は,当該基準に掲げる区分に従い,次に掲げる単位数を所定単位数に加算する。ただし,次に掲げるいずれかの加算を算定している場合においては,次に掲げるその他の加算は算定しない。
(1)介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ) イからへまでにより算定した単位数の1000分の63に相当する単位数
(2)介護職員等特定処遇改善加算(Ⅱ) イからへまでにより算定した単位数の1000分の42に相当する単位数
※「別に厚生労働大臣が定める基準」=厚生労働大臣が定める基準第4号の2
(留意事項)
■訪問介護の所要時間(注 1)
① 訪問介護の所要時間については,実際に行われた指定訪問介護の時間ではなく,訪問介護計画において位置付けられた内容の指定訪問介護を行うのに要する標準的な時間とする。
② 訪問介護の報酬については,1により算出された指定訪問介護を行うのに要する標準的な時間が,いずれの時間区分に該当するかをもって決定される。訪問介護の所要時間は,介護支援専門員やサービス提供責任者が行う適切なアセスメント及びマネジメントにより,利用者の意向や状態像に従い設定されるべきものであることを踏まえ,訪問介護計画の作成時には硬直的な運用にならないよう十分に留意し,利用者にとって真に必要なサービスが必要に応じて提供されるよう配慮する。
③ 指定訪問介護事業者は,訪問介護員等に,指定訪問介護を実際に行った時間を記録させるとともに,当該時間が 1 により算出された指定訪問介護を行うのに要する標準的な時間に比べ著しく短時間となっている状態が続く場合には,サービス提供責任者に,介護支援専門員と調整の上,訪問介護計画の見直しを行わせる。具体的には,介護報酬の算定に当たっての時間区分を下回る状態(例えば,身体介護中心型において,標準的な時間は45分 ,実績は20分の場合)が 1ヶ月以上継続する等,常態化している場合等が該当する。
④ 訪問介護は在宅の要介護者の生活パターンに合わせて提供されるべきであることから,単に 1回の長時間の訪問介護を複数回に区分して行うことは適切ではない。したがって,前回提供した指定訪問介護からおおむね 2時間未満の間隔で指定訪問介護が行われた場合には,それぞれの所要時間を合算する(緊急時訪問介護加算を算定する場合又は医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した者に訪問介護を提供する場合を除く)。
ただし,(5)①(編注:下記の「20分未満の身体介護の算定について」の「1」)の規定に該当する場合は,前記の規定に関わらず,20分未満の身体介護中心型について,前回提供した指定訪問介護から2時間未満の間隔で提供することが可能であり,所要時間を合算せずにそれぞれの所定単位数を算定する。
⑤ 所要時間が訪問介護費の算定要件を満たさない指定訪問介護(生活援助中心型の所要時間が20分未満の場合)については,訪問介護費の算定対象とならないが,こうした所定時間数未満の訪問介護であっても,複数回にわたる訪問介護を一連のサービス行為とみなすことが可能な場合に限り,それぞれの訪問介護の所要時間を合計して 1回の訪問介護として算定できる。例えば,午前に訪問介護員等が診察券を窓口に提出し(所要時間20分未満),昼に通院介助を行い,午後に薬を受け取りに行く(所要時間20分未満)とした場合には,それぞれの所要時間は20分未満であるため,それぞれを生活援助(所要時間20分以上45分未満)として算定できないが,一連のサービス行為(通院介助)とみなして所要時間を合計し, 1回の訪問介護(身体介護中心型に引き続き生活援助を行う場合)として算定できる。
⑥ 訪問介護計画に位置付けられた訪問介護の内容が,単なる本人の安否確認や健康チェックであり,それに伴い若干の身体介護又は生活援助を行う場合には,⑤の規定にかかわらず,訪問介護費は算定できない。
⑦ 1人の利用者に対して複数の訪問介護員等が交代して訪問介護を行った場合も, 1回の訪問介護としてその合計の所要時間に応じた所定単位数を算定する。訪問介護員等ごとに複数回の訪問介護として算定することはできない。(平 15 老老0303001 / 令 3 老高0316・3等)
■20分未満の身体介護の算定について
① 所要時間20分未満の身体介護中心型の単位の算定については,次の各号に掲げるいずれにも該当する場合には,頻回の訪問〔(4)④(編注:「訪問介護の所用時間」の「4」)のただし書きに規定する,前回提供した指定訪問介護からおおむね2時間の間隔を空けずにサービスを提供するものをいう(以下訪問介護費において同じ)〕を行うことができる。
a 次のいずれかに該当する者
(a) 要介護 1又は要介護 2の利用者であって,周囲の者による日常生活に対する注意を必要とする認知症のもの(「周囲の者による日常生活に対する注意を必要とする認知症のもの」とは,日常生活自立度のランクⅡ,Ⅲ.Ⅳ又はMに該当する利用者を指す)。
(b) 要介護 3,要介護 4及び要介護 5の利用者であって,「『障害老人の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準』の活用について」(平成3年11月 18日老健102-2 号厚生省大臣官房老人保健福祉部長通知)におけるランクB以上に該当するもの(当該自立度の取扱いについては,第 2の 1の(7)(編注:「認知症高齢者の日常生活自立度の決定方法について」)に定める「認知症高齢者の日常生活自立度」の取扱いに準じる)。
b aの要件を満たす利用者を担当する介護支援専門員が開催するサービス担当者会議において,1週間のうち5 日以上,頻回の訪問を含む20分未満の身体介護の提供が必要と判断されたものに対して提供される指定訪問介護である。この場合,当該サービス担当者会議については,当該指定訪問介護の提供日の属する月の前 3月の間に一度以上開催され,かつ,サービス提供責任者が参加していなければならない。なお,1週間のうち5日以上の日の計算に当たっては,日中の時間帯のサービスのみに限らず,夜間,深夜及び早朝の時間帯のサービスも含めて差し支えない。
c 当該指定訪問介護を提供する指定訪問介護事業所は, 24時間体制で,利用者又はその家族等から電話等による連絡に常時対応できる体制にあるものでなければならない。
また,利用者又はその家族等からの連絡に対応する職員は,営業時間中においては当該事業所の職員が 1以上配置されていなければならないが,当該職員が利用者からの連絡に対応できる体制を確保している場合は,利用者に指定訪問介護を提供することも差し支えない。また,営業時間以外の時間帯については,併設する事業所等の職員又は自宅待機中の当該指定訪問介護事業所の職員であって差し支えない。
d 頻回の訪問により20分未満の身体介護中心型の単位を算定する指定訪問介護を提供する指定訪問介護事業所は,指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所と一体的に運営しているもの又は指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所の指定を併せて受ける計画を策定しているものでなければならない(要介護 1又は要介護2の利用者に対して提供する場合は,指定定期巡回随時対応型訪問介護看護事業所と一体的に運営しているものに限る)。
e c及びdの事項については届出を要することとされており,日中における20分未満の身体介護中心型の算定を開始する始期については,第 1の 1の(5)の取扱いに準じる。
② 20分未満の身体介護についての下限となる所要時間を定めてはいないが,本時間区分により提供されるサービスについては,排泄介助,体位交換,服薬介助,起床介助,就寝介助等といった利用者の生活にとって定期的に必要な短時間の身体介護を提供することを想定しており,訪問介護の内容が単なる本人の安否確認や健康チェックであり,それに伴い若干の身体介護を行う場合には,算定できない。
また,いずれの時間帯においても20分未満の身体介護中心型の単位を算定する場合,引き続き生活援助を行うことは認められない(緊急時訪問介護加算を算定する場合を除く)ことに留意する。
③ 1の規定により,頻回の訪問を含む20分未満の身体介護中心型の単位を算定した月における当該利用者に係る 1月当たりの訪問介護費は,指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第 126号)の定期巡回・随時対応型訪問介護看護費のイ(1)(訪問看護サービスを行わない場合)のうち当該利用者の要介護状態区分に応じた所定単位数を限度として算定できる。なお,頻回の訪問の要件を満たす事業所の利用者であっても,当該月において頻回の訪問を含まない場合は,当該算定上限を適用しない。
なお,頻回の訪問として提供する20分未満の身体介護中心型の単位を算定する場合は,当該サービス提供が「頻回の訪問」にあたるものであることについて,居宅サービス計画において,明確に位置付けられていることを要する。(平24 老高0316・1等 / 令 3 老高0316・3等)
■「身体介護」及び「生活援助」の意義について(注 2,注 3)
注 2の「身体介護」とは,利用者の身体に直接接触して行う介助並びにこれを行うために必要な準備及び後始末並びに利用者の日常生活を営むのに必要な機能の向上等のための介助及び専門的な援助であり, 1人の利用者に対して訪問介護員等が 1対 1で行うものをいう。〔特別な事情により複数の利用者に対して行う場合は,1回の身体介護の所要時間を 1回の利用者の人数で除した結果の利用者 1人当たりの所要時間が(4)(編注:「訪問介護の所要時間」)にいう要件を満たすこと〕その具体例としては,例えば,「食事介助」の場合には,食事摂取のための介助のみならず,そのための一連の行為(例:声かけ・説明⇨訪問介護員等自身の手洗等⇨利用者の手拭き,工プロンがけ等の準備⇨食事姿勢の確保⇨配膳⇨おかずをきざむ,つぶす等⇨摂食介助⇨食後安楽な姿勢に戻す⇨気分の確認⇨食べこぼしの処理⇨エプロンタオルなどの後始末下膳など)が該当するものであり,具体的な運用に当たっては,利用者の自立支援に資する観点からサービスの実態を踏まえた取扱いとする。〔具体的な取扱いは「訪問介護におけるサービス行為ことの区分等について」(平成12年 3月 17日老計第10号)を参照する〕
また,「利用者の日常生活を営むのに必要な機能の向上等のための介助及び専門的な援助」とは,利用者の日常生活動作能力などの向上のために利用者の日常生活動作を見守りながら行う手助けや介助に合わせて行う専門的な相談助言を言う。
なお,社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)の規定に基づく,自らの事業又はその一環として,たんの吸引等(口腔内の喀痰吸引,鼻腔内の喀痰吸引,気管力ニューレ内の喀痰吸引,胃ろう又は腸ろうによる経管栄養又は経鼻経管栄養をいう。以下同じ)の業務を行うための登録を受けている事業所が,指定訪問介護として行うたんの吸引等に係る報酬上の区分については「身体介護」として取り扱う。
注 3の「生活援助」とは,身体介護以外の訪問介護であって,掃除,洗濯,調理などの日常生活の援助とされたが,次のような行為は生活援助の内容に含まれないものであるので留意する。〔具体的な取扱いは「指定訪問介護事業所の事業運営の取扱等について」(平成12年 11月 16日老振第76号)を参照する〕
① 商品の販売や農作業等生業の援助的な行為
② 直接本人の援助に該当しない行為
・主として家族の利便に供する行為又は家族が行うことであると判断される行為
③ 日常生活の援助に該当しない行為
・訪問介護員が行わなくても日常生活を営むのに支障が生じないと判断される行為。
・日常的に行われる家事の範囲を超える行為
(平 12 老企36 / 平3 老高0322・2等)
■訪問介護の区分(注 2,注 3,注 5)
訪問介護の区分については,身体介護が中心である場合(以下「身体介護中心型」という),生活援助が中心である場合(以下「生活援助中心型」という)の 2区分とされたが,これらの型の適用に当たっては, 1回の訪問介護において「身体介護」と「生活援助」が混在するような場合について,全体としていずれかの型の単位数を算定するのではなく,「身体介護」に該当する行為がどの程度含まれるかを基準に,「身体介護」と「生活援助」を組み合わせて算定する〔(3)(編注:「 1回の訪問介護において身体介護及び生活援助が混在する場合の取扱い」に詳述〕。この場合,身体介護のサービス行為の一連の流れを細かく区分しないよう留意する。例えば,「食事介助」のサービス行為の一連の流れに配下膳が含まれている場合に,当該配下膳の行為だけをもってして「生活援助」の一つの単独行為として取り扱わない。
いずれの型の単位数を算定するかを判断する際は,まず,身体介護に要する一般的な時間や内容からみて,身体介護を構成する個々の行為を
① 比較的手間のかからない体位変換,移動介助,移乗介助,起床介助(寝床から起こす介助),就寝介助(寝床に寝かす介助)等の「動作介護」
② ある程度手間のかかる排泄介助,部分清拭,部分浴介助,整容介助,更衣介助等の「身の回り介護」
③ さらに長い時間で手間のかかる食事介助,全身清拭,全身浴介助等の「生活介護」
に大きく分類することとし,その上で,次の考え方を基本に,訪問介護事業者は,居宅サービス計画作成時点において,利用者が選択した居宅介護支援事業者と十分連携を図りながら,利用者の心身の状況,意向等を踏まえ,適切な型が適用されるよう留意するとともに,訪問介護計画の作成の際に,利用者又はその家族等への説明を十分に行い,その同意の上,いずれの型かを確定する。
① 身体介護中心型の所定単位数が算定される場合
・専ら身体介護を行う場合
・主として「生活介護」や「身の回り介護」を行うとともに,これに関連して若千の生活援助を行う場合
(例) 簡単な調理の後(5分程度),食事介助を行う(50 分程度)場合(所要時間30分以上 1時間未満の身体介護中心型)。
② 生活援助中心型の所定単位数が算定される場合
・専ら生活援助を行う場合
・生活援助に伴い若干の「動作介護」を行う場合(例)利用者の居室から居間までの移動介助を行った後(5分程度),居室の掃除(35分程度)を行う場合(所要時間20分以上45分未満の生活援助中心型)。
なお,訪問介護の内容が単なる本人の安否確認や健康チェックであり,それに伴い若干の身体介護又は生活援助を行う場合には,訪問介護費は算定できない。(平 12 老企36/平30 老高0322・2等)
■ 1回の訪問介護において身体介護及び生活援助が混在する場合の取扱い(注 2,注 3,注 5)
1回の訪問において身体介護及び生活援助が混在する訪問介護を行う必要がある場合は,居宅サービス計画や訪問介護計画の作成に当たって,適切なアセスメントにより,あらかじめ具体的なサービス内容を「身体介護」と「生活援助」に区分してそれに要する標準的な時間に基づき,「身体介護」と「生活援助」を組み合わせて算定する。なお,身体介護中心型の単位数に生活援助が20分以上で67単位,45分以上で 134単位,70分以上で201単位を加算する方式となるが, 1回の訪問介護の全体時間のうち「身体介護」及び「生活援助」の所要時間に基づき判断するため,実際のサービスの提供は身体介護中心型の後に引き続き生活援助中心型を行う場合に限らず,例えば,生活援助の後に引き続き身体介護を行ってもよい。
(例) 寝たきりの利用者の体位変換を行いながら,ベッドを整え,体を支えながら水差しで水分補給を行い,安楽な姿勢をとってもらった後,居室の掃除を行う場合。
〔具体的な取扱い〕「身体介護」に該当する行為がどの程度含まれるかを基準に以下のいずれかの組み合わせを算定
・身体介護中心型20分以上30分未満(250単位)+生活援助加算45分(134単位)
・身体介護中心型30分以上 1時間未満(396単位)+生活援助加算20分(67単位)
なお,20分未満の身体介護に引き続き生活援助を行う場合は,引き続き行われる生活援助の単位数の加算を行うことはできない(緊急時訪問介護加算を算定する場合を除く)。(平 12 老企36 / 令 3 老高0316・3等)
■「生活援助中心型」の単位を算定する場合(注 3)
注 3において「生活援助中心型」の単位を算定することができる場合として,「利用者が一人暮らしであるか又は家族等が障害,疾病等のため,利用者や家族等が家事を行うことが困難な場合」とされたが,これは,障害,疾病のほか,障害,疾病がない場合であっても,同様のやむを得ない事情により,家事が困難な場合をいう。
なお,居宅サービス計画に生活援助中心型の訪問介護を位置付ける場合には,居宅サービス計画書に生活援助中心型の算定理由その他やむを得ない事情の内容について記載するとともに,生活全般の解決すべき課題に対応して,その解決に必要であって最適なサービスの内容とその方針を明確に記載する必要がある。(平 12 老企36 / 平30 老高0322・2等)
■「通院等乗降介助」の単位を算定する場合(注 4)
① 指定訪問介護事業者が注 4の「通院等乗降介助」を行う場合には,当該所定単位数を算定することとし,「身体介護中心型」の所定単位数は算定できない。当該所定単位数を算定するに当たっては,道路運送法(昭和26年法律第183 号)等他の法令等に抵触しないよう留意する。なお,移送行為そのものすなわち運転時間中は当該所定単位数の算定対象ではなく,移送に係る経費(運賃)は,引き続き,評価しない。
② 注 4において「通院等乗降介助」の単位を算定することができる場合,片道につき所定単位数を算定する。よって,乗車と降車のそれぞれについて区分して算定することはできない。
③ 複数の要介護者に「通院等乗降介助」を行った場合であって,乗降時に一人の利用者に対して 1対 1で行う場合には,それぞれ算定できる。なお,効率的なサービス提供の観点から移送時間を極小化する。
④ 利用目的について,「通院等のため」とは,「身体介護中心型」としての通院・外出介助と同じものである。なお,この場合の「通院等」には,入院と退院も含まれる。
⑤ サービス行為について,「自らの運転する車両への乗車又は降車の介助」,「乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助」及び「通院先若しくは外出先での受診等の手続き,移動等の介助」とは,それぞれ具体的に介助する行為を要する。例えば,利用者の日常生活動作能力などの向上のために,移動時,転倒しないように側について歩き,介護は必要時だけで,事故がないように常に見守る場合は算定対象となるが,乗降時に車両内から見守るのみでは算定対象とならない。また,「自らの運転する車両への乗車又は降車の介助」に加えて,「乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助」を行うか,又は,「通院先若しくは外出先での受診等の手続き,移動等の介助」を行う場合に算定対象となるものであり,これらの移動等の介助又は受診等の手続きを行わない場合には算定対象とならない。
⑥ 「通院等乗降介助」は,「自らの運転する車両への乗車又は降車の介助」,「乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助」及び「通院先若しくは外出先での受診等の手続き,移動等の介助」を一連のサービス行為として含むものであり,それぞれの行為によって細かく区分し,「通院等乗降介助」又は「身体介護中心型」として算定できない。例えば,通院等に伴いこれに関連して行われる,居室内での「声かけ・説明」・「目的地(病院等)に行くための準備」や通院先での「院内の移動等の介助」は,「通院等乗降介助」に含まれるものであり,別に「身体介護中心型」として算定できない。なお, 1人の利用者に対して複数の訪問介護員等が交代して「通院等乗降介助」を行った場合も,1回の「通院等乗降介助」として算定し,訪問介護員等ごとに細かく区分して算定できない。
⑦ 「通院等乗降介助」の単位を算定するに当たっては,適切なアセスメントを通じて,生活全般の解決すべき課題に対応した様々なサービス内容の一つとして,総合的な援助の一環としてあらかじめ居宅サービス計画に位置付けられている必要があり,居宅サービス計画において,
ア 通院等に必要であることその他車両への乗降が必要な理由
イ 利用者の心身の状況から乗降時の介助行為を要すると判断した旨
ウ 総合的な援助の一環として,解決すべき課題に応じた他の援助と均衡していることを明確に記載する必要がある。
⑧ 目的地が複数あって居宅が始点又は終点となる場合には,目的地(病院等)間の移送や,通所サービス・短期入所サービスの事業所から目的地(病院等)への移送に係る乗降介助に関しても,同一の指定訪問介護事業所が行うことを条件に,算定することができる。なお,この場合,通所サービスについては利用者宅と事業所との間の送迎を行わない場合の減算(以下の具体的取扱いにおいて「送迎減算」という)が適用となり,短期入所サービスについては,利用者に対して送迎を行う場合の加算を算定できない。
〔具体的な取扱い〕居宅が始点又は終点であること及び同一の訪問介護事業所の通院等乗降介助を利用することを条件に算定する。具体例は以下のとおり。
a 利用者が通所介護の終了後,通院等乗降介助を利用して病院へ行き,その後再び通院等乗降介助を利用して居宅へ帰る場合通所介護事業所と病院の間の移送及び病院と居宅の間の移送の 2回について,通院等乗降介助を算定できる。
・居宅
↓
・通所介護事業所 ※ 帰りの送迎を行わないため送迎減算を適用
↓ 通院等乗降介助(1回目)
・病院
↓ 通院等乗降介助(2回目)
・居宅
b 利用者が通院等乗降介助を利用して居宅から病院へ行き,その後再び通院等乗降介助を利用して通所介護事業所へ行く場合居宅と病院の間の移送及び病院と通所介護事業所の間の移送の 2回について,通院等乗降介助を算定できる。
・居宅
↓ 通院等乗降介助(1回目)
・病院
↓ 通院等乗降介助(2回目)
・通所介護事業所※行きの送迎を行わないため送迎減算を適用
↓
・居宅
c 利用者が居宅から通院等乗降介助を利用して複数(2 か所)の病院へ行き,その後再び通院等乗降介助を利用して居宅へ帰る場合居宅と病院の間の移送,病院と病院の間の移送及び病院と居宅の間の移送の 3回について,通院等乗降介助を算定できる。
・居宅
↓ 通院等乗降介助(1回目)
・病院
↓ 通院等乗降介助(2回目)
・病院
↓ 通院等乗降介助(3回目)
・居宅
(平 15 老老0303001 / 令 3 老高0316・3等)
■「通院等乗降介助」と「身体介護中心型」の区分(注 4)
要介護 4又は要介護 5の利用者に対して,通院等のための乗車・降車の介助を行うことの前後に連続して相当の所要時間(20~30分程度以上)を要しかつ手間のかかる身体介護を行う場合には,その所要時間に応じた「身体介護中心型」の所定単位数を算定できる。この場合には,「通院等乗降介助」の所定単位数は算定できない。
(例) (乗車の介助の前に連続して)寝たきりの利用者の更衣介助や排泄介助をした後,ベッドから車いすへ移乗介助し,車いすを押して自動車へ移動介助する場合。(平 15 老老0303001 / 平 30 老高0322・2等)
■「通院等乗降介助」と通所サービス・短期入所サービスの「送迎」の区分(注 5)
通所サービス又は短期入所サービスにおいて利用者の居宅と当該事業所との間の送迎を行う場合は,当該利用者の心身の状況により当該事業所の送迎車を利用することができないなど特別な事情のない限り,短期入所サービスの送迎加算を算定することとし(通所サービスは基本単位に包括),「通院等乗降介助」は算定できない。(平 15 老老0303001 / 平 30 老高0322・2等)
■ 2人の訪問介議員等による訪問介護の取扱い等(注 6)
2人の訪問介護員等による訪問介護について,所定単位数の100分の200に相当する単位数が算定される場合のうち,厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等(平成27年厚生労働省告示第94号。以下「利用者等告示」という)第 3号(※告示94・ 3)イの場合としては,体重が重い利用者に入浴介助等の重介護を内容とする訪問介護を提供する場合等が該当し,同号ハの場合としては,例えば,エレベータのない建物の 2階以上の居室から歩行困難な利用者を外出させる場合等が該当する。したがって,単に安全確保のために深夜の時間帯に2人の訪問介護員等によるサービス提供を行った場合は,利用者側の希望により利用者や家族の同意を得て行った場合を除き,所定単位数の100分の200に相当する単位数は算定されない。
なお,通院・外出介助において, 1人の訪問介護員等が車両に同乗して気分の確認など移送中の介護も含めた介護行為を行う場合には,当該車両を運転するもう1人の訪問介護員等は別に「通院等乗降介助」を算定することはできない。(平 12 老企36 / 平 30 老高0322・2等)
■早朝・夜問,深夜の訪問介護の取扱い(注 7)
居宅サービス計画上又は訪問介護計画上,訪問介護のサービス開始時刻が加算の対象となる時間帯にある場合に,当該加算を算定する。なお,利用時間が長時間にわたる場合に,加算の対象となる時間帯におけるサービス提供時間が全体のサービス提供時間に占める割合がごくわずかな場合においては,当該加算は算定できない。(平 12 老企36 / 平30 老高0322・2等)
■特定事業所加算について (注 8)
特定事業所加算の各算定要件については,次に定めるところによる。
① 体制要件
イ 計画的な研修の実施
厚生労働大臣が定める基準 (平成27年 厚生労働省告示第 95号 。以下「大臣基準告示」という)第 3号 (※ 告示95・ 3)イ (1)の 「訪問介護員等ごとに研修計画の作成」又は同号二(2)の 「サービス提供責任者ごとに研修計画を作成」については,当該事業所におけるサービス従事者の資質向上のための研修内容の全体像と当該研修実施のための勤務体制の確保を定めるとともに,訪問介護員等又はサービス提供責任者について個別具体的な研修の目標,内容,研修期間,実施時期等を定めた計画を策定しなければならない。
口 会議の定期的開催
同号イ(2)(一)の 「利用者に関する情報若しくはサービス提供に当たっての留意事項の伝達又は当該指定訪問介護事業所における訪問介護員等の技術指導を目的とした会議」とは,サ ービス提供責任者が主宰し,登録ヘルパーも含めて,当該事業所においてサービス提供に当たる訪問介護員等のすべてが参加するものでなければならない。なお,実施に当たっては,全員が一堂に会して開催する必要はなく,サ ービス提供責任者ごとにいくつかのグループ別に分かれて開催することで差し支えない。会議の開催状況については,その概要を記録しなければならない。なお,「 定期的」とは,おおむね 1月に1回以上開催されている必要がある。
また,会議は,テレビ電話装置等(リアルタイムでの画像を介したコミュニケーションが可能な機器をいう。以下同じ)を活用して行うことができる。この際,個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」,厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守する。
ハ 文書等による指示及びサービス提供後の報告
同号イ(2)(二)の「当該利用者に関する情報やサービス提供に当たっての留意事項」とは,少なくとも,次に掲げる事項について,その変化の動向を含め,記載しなければならない。
・利用者のADLや意欲
・利用者の主な訴えやサービス提供時の特段の要望
・家族を含む環境。前回のサービス提供時の状況
・その他サービス提供に当たって必要な事項
なお,「前回のサービス提供時の状況」を除く事項については,変更があった場合に記載することで足りるものとし, 1日のうち,同一の訪問介護員が同一の利用者に複数回訪問する場合であって,利用者の体調の急変等,特段の事情がないときは,当該利用者に係る文書等の指示及びサービス提供後の報告を省略することも差し支えない。
また,サービス提供責任者が事業所に不在時のサービス提供に係る文書等による指示及びサービス提供後の報告については,サービス提供責任者が事前に一括指示を行い,適宜事後に報告を受けることも差し支えない。この場合,前回のサービス提供時の状況等については,訪問介護員等の間での引き継ぎを行う等,適切な対応を図るとともに,利用者の体調の急変等の際の対応のためサービス提供責任者との連絡体制を適切に確保する。
同号イ(2)(二)の「文書等の確実な方法」とは,直接面接しながら文書を手交する方法のほか,FAX,メール等によることも可能である。
また,同号イ(2)(二)の訪問介護員等から適宜受けるサービス提供終了後の報告内容について,サービス提供責任者は,文書(電磁的記録を含む)にて記録を保存しなければならない。
二 定期健康診断の実施
同号イ(3)の健康診断等については,労働安全衛生法により定期に実施することが義務付けられた「常時使用する労働者」に該当しない訪問介護員等も含めて,少なくとも1年以内ごとに 1回,事業主の費用負担により実施しなければならない。新たに加算を算定しようとする場合にあっては,少なくとも1年以内に当該健康診断等が実施されることが計画されていることをもって足りる。
ホ 緊急時における対応方法の明示
同号イ(4)の「明示」については,当該事業所における緊急時等の対応方針,緊急時の連絡先及び対応可能時間等を記載した文書を利用者に交付し,説明を行うものとする。なお,交付すべき文書については,重要事項説明書等に当該内容を明記することをもって足りる。
② 人材要件
イ 訪問介護員等要件
第 3号イ(※告示95・3)(5)の介護福祉士,実務者研修修了者,介護職員基礎研修課程修了者及び 1 級課程修了者の割合については,前年度(3月を除く)又は届出日の属する月の前 3月の 1月当たりの実績の平均について,常勤換算方法により算出した数を用いて算出する。ただし,生活援助従事者研修修了者については,0.5を乗じて算出する。
なお,介護福祉士又は実務者研修修了者,介護職員基礎研修課程修了者若しくは 1級課程修了者とは,各月の前月の末日時点で資格を取得している又は研修の課程を修了している者とする。
また,看護師等の資格を有する者については, 1級課程の全科目を免除することが可能とされていたことから, 1級課程修了者に含めて差し支えない。
ロ サービス提供責任者要件
同号イ(6)の「実務経験」は,サービス提供責任者としての従事期間ではなく,在宅や施設を問わず介護に関する業務に従事した期間をいうものであり,資格取得又は研修修了前の従事期間も含める。
なお,同号イ(6)ただし書については,指定居宅サービス基準第 5条第2項の規定により常勤のサービス提供責任者を2人配置することとされている事業所については,同項ただし書により常勤のサービス提供責任者を 1 人配置し,非常勤のサービス提供責任者を常勤換算方法で必要とされる員数配置することで基準を満たすことになるが,本要件を満たすためには,常勤のサービス提供責任者を2人以上配置しなければならないとしている。
また,同号二(3)については,指定居宅サービス等基準第 5条第 2項の規定により配置されることとされている常勤のサービス提供責任者が 2人以下の指定訪問介護事業所であって,基準により配置することとされている常勤のサービス提供責任者の数(サービス提供責任者の配置について,常勤換算方法を採用する事業所を除く)を上回る数の常勤のサービス提供責任者を1人以上配置しなければならないこととしている。
看護師等の資格を有する者については, 1級課程の全科目を免除することが可能とされていたことから, 1級課程修了者に含めて差し支えない。
ハ 勤続年数要件
a 勤続年数とは,各月の前月の末日時点における勤続年数をいうものとする。具体的には,令和 3年 4月における勤続年数 7年以上の者とは,令和 3年 3月 31日時点で勤続年数が 7年以上である者をいう。
b 勤続年数の算定に当たっては,当該事業所における勤務年数に加え,同一法人等の経営する他の介護サービス事業所,病院,社会福祉施設等においてサービスを利用者に直接提供する職員として勤務した年数を含めることができる。
c 第 3号ホ(2)の訪問介護員等の割合については,前年度(3月を除く)又は届出日の属する月の前 3月の 1 月当たりの実績の平均について,常勤換算方法により算出した数を用いて算出する。
③ 重度要介護者等対応要件
第 3号(※告示95・ 3)イ(7)の要介護 4及び要介護 5である者又は同号二(4)の要介護 3,要介護 4又は要介護 5である者,日常生活に支障を来すおそれのある症状若しくは行動が認められることから介護を必要とする認知症である者並びに社会福祉士及び介護福祉士法施行規則(昭和61年厚生省令第49号)第 1条各号に掲げる行為を必要とする者の割合については,前年度(3月を除く)又は届出日の属する月の前 3月の 1月当たりの実績の平均について,利用実人員又は訪問回数を用いて算定する。なお,「日常生活に支障を来すおそれのある症状若しくは行動が認められることから介護を必要とする認知症である者」とは,日常生活自立度のランクⅢ,Ⅳ又はMに該当する利用者を,「社会福祉士及び介護福祉士法施行規則第 1条各号に掲げる行為を必要とする者」とは,たんの吸引等(口腔内の喀痰吸引,鼻腔内の喀痰吸引,気管カニューレ内の喀痰吸引,胃ろう又は腸ろうによる経管栄養又は経鼻経管栄養)の行為を必要とする利用者を指す。また,本要件に係る割合の計算において,たんの吸引等の行為を必要とする者を算入できる事業所は,社会福祉士及び介護福祉士法の規定に基づく,自らの事業又はその一環としてたんの吸引等の業務を行うための登録を受けているものに限られる。
④ 割合の計算方法
②イ及びハの職員の割合並びに③の利用実人員の割合の計算は,次の取扱いによる。
イ 前年度の実績が 6月に満たない事業所(新たに事業を開始し,又は再開した事業所を含む)については,前年度の実績による加算の届出はできない。
口 前 3月の実績により届出を行った事業所については,届出を行った月以降においても,直近 3月間の職員又は利用者の割合につき,毎月継続的に所定の割合を維持しなければならない。また,その割合については,毎月ごとに記録するものとし,所定の割合を下回った場合については,直ちに第 1の 5(編注:「加算等が算定されなくなる場合の届出の取扱い」)の届出を提出しなければならない。
(平 18 老計0317001等 / 令 3 老高0316・3等,老高発0422第 1号等)
■共生型訪問介護の所定単位数等の取扱い(注 9)
① 障害福祉制度の指定居宅介護事業所が,要介護高齢者に対し訪問介護を提供する場合
イ 介護福祉士,実務者研修修了者,介護職員初任者研修修了者,生活援助従事者研修修了者,旧介護職員基礎研修修了者,旧訪問介護員 1級課程又は旧 2級課程修了者及び居宅介護職員初任者研修課程修了者(相当する研修課程修了者を含む)が訪問介護を提供する場合は,所定単位数を算定する。
口 障害者居宅介護従業者基礎研修課程修了者〔相当する研修課程修了者を含む。なお,介護保険法施行規則の一部を改正する省令(平成24年厚生労働省令第25号)による改正前の介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)第22条の 23第 1項に規定する3級課程修了者については,相当する研修課程修了者に含む〕,実務経験を有する者(平成18年 3月 31日において身体障害者居宅介護等事業.知的障害者居宅介護等事業又は児童居宅介護等事業に従事した経験を有する者であって,都道府県知事から必要な知識及び技術を有すると認める旨の証明書の交付を受けたものをいう)及び廃止前の視覚障害者外出介護従業者養成研修,全身性障害者外出介護従業者養成研修又は知的障害者外出介護従業者養成研修課程修了者(これらの研修課程に相当するものとして都道府県知事が認める研修の課程を修了し,当該研修の事業を行った者から当該研修の課程を修了した旨の証明書の交付を受けた者を含む。以下「旧外出介護研修修了者」という)が訪問介護〔旧外出介護研修修了者については,通院外出介助(通院等乗降介助を含む)に限る〕を提供する場合は,所定単位数の100分の70に相当する単位数を算定する。
ハ 重度訪問介護従業者養成研修課程修了者(相当する研修課程修了者を含む)が訪問介護を提供する場合(早朝・深夜帯や年末年始などにおいて,一時的に人材確保の観点から市町村がやむを得ないと認める場合に限る)は,所定単位数の100分の93に相当する単位数を算定する。
② 障害福祉制度の指定重度訪問介護事業所が,要介護高齢者に対し訪問介護を提供する場合は,所定単位数の100分の93に相当する単位数を算定する。
③ 障害者居宅介護従業者基礎研修課程修了者及び重度訪問介護従業者養成研修課程修了者等による共生型訪問介護の取扱い
①イ以外の者については,65歳に達した日の前日において,これらの研修課程修了者が勤務する指定居宅介護事業所又は指定重度訪問介護事業所において,指定居宅介護又は指定重度訪問介護を利用していた高齢障害者に対してのみ,サービスを提供できることとする。すなわち,新規の要介護高齢者へのサービス提供はできない。(平 30 老高0322・2等/令 3 老高0316・3等)
■指定訪問介護事業所と同一の敷地内若しくは隣接する敷地内の建物若しくは指定訪問介護事業所と同一の建物(以下「同一敷地内建物等」という)等に居住する利用者に対する取扱い(注 10)
① 同一敷地内建物等の定義
注10における「同一敷地内建物等」とは,当該指定訪問介護事業所と構造上又は外形上,一体的な建築物及び同一敷地内並びに隣接する敷地(当該指定訪問介護事業所と建築物が道路等を挟んで設置している場合を含む)にある建築物のうち効率的なサービス提供が可能なものを指す。具体的には,一体的な建築物として,当該建物の 1階部分に指定訪問介護事業所がある場合や当該建物と渡り廊下でつながっている場合など,同一の敷地内若しくは隣接する敷地内の建物として,同一敷地内にある別棟の建築物や幅員の狭い道路を挟んで隣接する場合などが該当する。
② 同一の建物に20人以上居住する建物(同一敷地内建物等を除く)の定義
イ 「当該指定訪問介護事業所における利用者が同一建物に20人以上居住する建物」とは, 1に該当するもの以外の建築物を指すものであり,当該建築物に当該指定訪問介護事業所の利用者が20人以上居住する場合に該当し,同一敷地内にある別棟の建物や道路を挟んで隣接する建物の利用者数を合算するものではない。
口 この場合の利用者数は,1月間(暦月)の利用者数の平均を用いる。この場合, 1月間の利用者の数の平均は,当該月における 1日ごとの該当する建物に居住する利用者の合計を,当該月の日数で除して得た値とする。この平均利用者数の算定に当たっては,小数点以下を切り捨てる。また,当該指定訪問介護事業所が,第 1号訪問事業(旧指定介護予防訪問介護に相当するものとして市町村が定めるものに限る。以下同じ)と一体的な運営をしている場合,第 1号訪問事業の利用者を含めて計算する。
③ 当該減算は,指定訪問介護事業所と建築物の位置関係により,効率的なサービス提供が可能であることを適切に評価する趣旨であることに鑑み,本減算の適用については,位置関係のみをもって判断することがないよう留意すること。具体的には,次のような場合を一例として,サービス提供の効率化につながらない場合には,減算を適用すべきではない。
(同一敷地内建物等に該当しないものの例)
・同一敷地であっても,広大な敷地に複数の建物が点在する場合
・隣接する敷地であっても,道路や河川などに敷地が隔てられており,横断するために迂回しなければならない場合
④ 1及び2のいずれの場合においても,同一の建物については,当該建築物の管理,運営法人が当該指定訪問介護事業所の指定訪問介護事業者と異なる場合であっても該当する。
⑤ 同一敷地内建物等に50人以上居住する建物の定義
イ 同一敷地内建物等のうち,当該同一敷地内建物等における当該指定訪問介護事業所の利用者が50人以上居住する建物の利用者全員に適用される。
口 この場合の利用者数は, 1月間(暦月)の利用者数の平均を用いる。この場合, 1月間の利用者の数の平均は,当該月における 1日ごとの該当する建物に居住する利用者の合計を,当該月の日数で除して得た値とする。この平均利用者数の算定に当たっては,小数点以下を切り捨てる。(令 3老高0316・3等)
■特別地域訪問介護加算について(注 11)
注11の「その一部として使用される事務所」とは,待機や道具の保管,着替え等を行う出張所等(以下「サテライト事業所」という)を指し,例えば,本体の事業所が離島等以外に所在し,サテライト事業所が離島等に所在する場合,本体事業所を業務の本拠とする訪問介護員等による訪問介護は加算の対象とならず,サテライト事業所を業務の本拠とする訪問介護員等による訪問介護は加算の対象となる。サテライト事業所のみが離島等に所在する場合には,当該サテライト事業所を本拠とする訪問介護員等を明確にするとともに,当該サテライト事業所からの提供した具体的なサービスの内容等の記録を別に行い,管理する。(平 21 老老0306002 / 令 3 老高0316・3等)
■注12(中山間地域等小規模事業所加算)の取扱い
① (15)〔編注:上記の「特別地域訪問介護加算について(注 11)」〕を参照。
② 延訪問回数は前年度(3月を除く)の 1月当たりの平均延訪問回数をいう。
③ 前年度の実績が 6月に満たない事業所(新たに事業を開始し,又は再開した事業所を含む)については,直近の 3月における 1月当たりの平均延訪問回数を用いる。したがって,新たに事業を開始し,又は再開した事業者については, 4月目以降届出が可能となるものである。
平均延訪問回数については,毎月ごとに記録するものとし,所定の回数を上回った場合については,直ちに第一の 5の届出を提出しなければならない。
④ 当該加算を算定する事業所は,その旨について利用者に事前に説明を行い,同意を得てサービスを行う必要がある。(平 21 老老0306002 / 令 3 老高0316・3等)
■注13(中山間地域等居住者サービス提供加算)の取扱い
注13の加算を算定する利用者については,指定居宅サービス基準第20条第3項に規定する交通費の支払いを受けることはできない。(平21 老老0306002 / 令 3 老高0316・3等)
■緊急時訪問介護加算について(注14)
① 「緊急に行った場合」とは,居宅サービス計画に位置付けられていない(当該指定訪問介護を提供した時間帯が,あらかじめ居宅サービス計画に位置付けられたサービス提供の日時以外の時間帯であるものをいう)訪問介護(身体介護が中心のものに限る)を,利用者又はその家族等から要請を受けてから24時間以内に行った場合をいう。
② 当該加算は, 1回の要請につき1回を限度として算定できる。
③ 緊急時訪問介護加算は,サービス提供責任者が,事前に指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員と連携を図り,当該介護支援専門員が,利用者又はその家族等から要請された日時又は時間帯に身体介護中心型の訪問介護を提供する必要があると判断した場合に加算されるものであるが,やむを得ない事由により,介護支援専門員と事前の連携が図れない場合に,指定訪問介護事業所により緊急に身体介護中心型の訪問介護が行われた場合であって,事後に介護支援専門員によって,当該訪問が必要であったと判断された場合には,加算の算定は可能である。
④ 当該加算の対象となる訪問介護の所要時間については,サービス提供責任者と介護支援専門員が連携を図った上,利用者又はその家族等からの要請内容から,当該訪問介護に要する標準的な時間を,介護支援専門員が判断する。なお,介護支援専門員が,実際に行われた訪問介護の内容を考慮して,所要時間を変更することは差し支えない。
⑤ 当該加算の対象となる訪問介護の所要時間については,(4)〔編注:「訪問介護の所要時間」(注 1)〕④及び(5)の規定は適用されない。したがって,所要時間が20分未満であっても,20分未満の身体介護中心型の所定単位数の算定及び当該加算の算定は可能であり,当該加算の対象となる訪問介護と当該訪問介護の前後に行われた訪問介護の間隔が 2時間未満であった場合であっても,それぞれの所要時間に応じた所定単位数を算定する(所要時間を合算する必要はない)。
⑥ 緊急時訪問介護加算の対象となる指定訪問介護の提供を行った場合は,指定居宅サービス基準第19条に基づき,要請のあった時間,要請の内容,当該訪問介護の提供時刻及び緊急時訪問介護加算の算定対象である旨等を記録する。(平21 老老0306002 / 令 3 老高0316・3等)
■初回加算について
1 本加算は,利用者が過去 2月間(暦月)に,当該指定訪問介護事業所から指定訪問介護の提供を受けていない場合に算定される。
2 サービス提供責任者が,訪問介護に同行した場合については,指定居宅サービス基準第19条に基づき,同行訪問した旨を記録する。また,この場合において,当該サービス提供責任者は,訪問介護に要する時間を通じて滞在することは必ずしも必要ではなく,利用者の状況等を確認した上で,途中で現場を離れた場合であっても,算定は可能である。(平21 老老0306002 / 平 30 老高0322・2等)
■生活機能向上連携加算について
① 生活機能向上連携加算(Ⅱ)について
イ 「生活機能の向上を目的とした訪問介護計画」とは,利用者の日常生活において介助等を必要とする行為について,単に訪問介護員等が介助等を行うのみならず,利用者本人が,日々の暮らしの中で当該行為を可能な限り自立して行うことができるよう,その有する能力及び改善可能性に応じた具体的目標を定めた上で,訪問介護員等が提供する指定訪問介護の内容を定めたものでなければならない。
ロ イの訪問介護計画の作成に当たっては,指定訪問リハビリテーション事業所,指定通所リハビリテーション事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設(病院にあっては,認可病床数が200床未満のもの又は当該病院を中心として半径4 km以内に診療所が存在しないものに限る。以下2において同じ)の理学療法士,作業療法士,言語聴覚士又は医師(以下2において「理学療法士等」という)が利用者の居宅を訪問する際にサービス提供責任者が同行する又は当該理学療法士等及びサービス提供責任者が利用者の居宅を訪問した後に共同してカンファレンス(指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号。以下「指定居宅介護支援等基準」という)第13条第9号に規定するサービス担当者会議として開催されるものを除く。以下①において同じ)を行い,当該利用者のADL(寝返り,起き上がり,移乗,歩行,着衣,入浴,排せつ等)及びIADL(調理,掃除.買物,金銭管理,服薬状況等)に関する利用者の状況につき,理学療法士等とサービス提供責任者が共同して,現在の状況及びその改善可能性の評価(以下「生舌機能アセスメント」という)を行う。
カンファレンスは,テレビ装置等を活用して行うことができる。この際,個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」,厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守する。
また,当者会議の前後に時間を明確に区分した上で,サービス提供責任者及び理学療法士等により実施されるもので差し支えない。さらに,この場合の「リハビリテーションを実施している医療提供施設」とは,診療報酬における疾患別リハビリテーション料の届出を行っている病院若しくは診療所又は介護老人保健施設,介護療養型医療施設若しくは介護医療院である。
ハ イの訪問介護計画には,生活機能アセスメントの結果のほか,次に掲げるその他の日々の暮らしの中で必要な機能の向上に資する内容を記載しなければならない。
a 利用者が日々の暮らしの中で可能な限り自立して行おうとする行為の内容
b 生活機能アセスメントの結果に基づき,aの内容について定めた3月を目途とする達成目標
c bの目標を達成するために経過的に達成すべき各月の目標
d b及びcの目標を達成するために訪問介護員等が行う介助等の内容
ニ ハのb及びcの達成目標については,利用者の意向及び利用者を担当する介護支援専門員の意見も踏まえ策定するとともに,利用者自身がその達成度合いを客観視でき,当該利用者の意欲の向上につながるよう,例えば当該目標に係る生活行為の回数や当該生活行為を行うために必要となる基本的な動作(立位又は座位の保持等)の時間数といった数値を用いる等,可能な限り具体的かつ客観的な指標を用いて設定する。
ホ イの訪問介護計画及び当該計画に基づく訪問介護員等が行う指定訪問介護の内容としては,例えば次のようなものが考えられる。
達成目標として「自宅のポータブルトイレを 1日 1回以上利用する(1月目, 2月目の目標として座位の保持時間)」を設定。
(1月目) 訪問介護員等は週 2回の訪問の際,ベッド上で体を起こす介助を行い,利用者が 5分間の座位を保持している間,ベッド周辺の整理を行いながら安全確保のための見守り及び付き添いを行う。
(2月目) ベッド上からポータブルトイレヘの移動の介助を行い,利用者の体を支えながら,排泄の介助を行う。
(3月目) ベッド上からポータブルトイレヘ利用者が移動する際に,転倒等の防止のため付き添い,必要に応じて介助を行う(訪問介護員等は,指定訪問介護提供時以外のポータブルトイレの利用状況等について確認を行う)。
へ 本加算は口の評価に基づき,イの訪問介護計画に基づき提供された初回の指定訪問介護の提供日が属する月以降 3月を限度として算定されるものであり, 3月を超えて本加算を算定しようとする場合は,再度口の評価に基づき訪問介護計画を見直す必要がある。なお,当該 3月の間に利用者に対する指定訪問リハビリテーション又は指定通所リハビリテーション等の提供が終了した場合であっても,3月間は本加算の算定が可能である。
卜 本加算を算定する期間中は,各月における目標の達成度合いにつき,利用者及び指定訪問リハビリテーション,指定通所リハビリテーション又はリハビリテーションを実施している医療提供施設の理学療法士等に報告し,必要に応じて利用者の意向を確認し,当該理学療法士等から必要な助言を得た上で,利用者のADL及び IADLの改善状況及びハの bの達成目標を踏まえた適切な対応を行う。
② 生活機能向上連携加算(Ⅰ)について
イ 生活機能向上連携加算(Ⅰ)については,①口,へ及びトを除き,①を適用する。本加算は,理学療法士等が自宅を訪問せずにADL及びIADLに関する利用者の状況について適切に把握した上でサービス提供責任者に助言を行い,サービス提供責任者が,助言に基づき①の訪問介護計画を作成(変更)するとともに,計画作成から3月経過後,日標の達成度合いにつき,利用者及び理学療法士等に報告することを定期的に実施することを評価する。
a ①イの訪問介護計画の作成に当たっては,指定訪問リハビリテーション事業所,指定通所リハビリテーション事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設の理学療法士等は,当該利用者のADL及びIADLに関する状況について,指定訪問リハビリテーション事業所,指定通所リハビリテーション事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設の場において把握し,又は,指定訪問介護事業所のサービス提供責任者と連携してICTを活用した動画やテレビ電話装置等を用いて把握した上で,当該指定訪問介護事業所のサービス提供責任者に助言を行う。なお,ICTを活用した動画やテレビ電話装置等を用いる場合においては,理学療法士等がADL及びIADLに関する利用者の状況について適切に把握することができるよう,理学療法士等とサービス提供責任者で事前に方法等を調整する。
b 当該指定訪問介護事業所のサービス提供責任者は, aの助言に基づき,生活機能アセスメントを行った上で, 1イの訪問介護計画の作成を行うこと。なお, 1 イの訪問介護計画には,aの助言の内容を記載する。
c 本加算は,1イの訪問介護計画に基づき指定訪問介護を提供した初回の月に限り,算定されるものである。なお,aの助言に基づき訪問介護計画を見直した場合には,本加算を算定することは可能であるが,利用者の急性増悪等により訪問介護計画を見直した場合を除き, 1イの訪問介護計画に基づき指定訪問介護を提供した翌月及び翌々月は本加算を算定しない。
d 計画作成から3月経過後,日標の達成度合いにつき,利用者及び理学療法士等に報告する。なお,再度 aの助言に基づき訪問介護計画を見直した場合には,本加算の算定が可能である。(平 24 老高0316・1等 / 令 3 老高0316・3等)
■認知症専門ケア加算について
① 「日常生活に支障を来すおそれのある症状若しくは行動が認められることから介護を必要とする認知症の者」とは,日常生活自立度のランクⅢ,Ⅳ又はMに該当する利用者を指す。
② 認知症高齢者の日常生活自立度Ⅲ以上の割合が 2分の 1 以上の算定方法は,算定日が属する月の前 3月間の利用者実人員数又は利用延人員数の平均で算定する。また,届出を行った月以降においても,直近 3月間の認知症高齢者の日常生活自立度Ⅲ以上の割合につき,毎月継続的に所定の割合以上であることが必要である。なお,その割合については,毎月記録するものとし,所定の割合を下回った場合については,直ちに第一の5(編注:「加算等が算定されなくなる場合の届出の取扱い」)の届出を提出しなければならない。
③ 「認知症介護に係る専門的な研修」とは,「認知症介護実践者等養成事業の実施について」(平成18年 3月31日老発第 0331010号厚生労働省老健局長通知)及び「認知症介護実践者等養成事業の円滑な運営について」(平成18年 3月 31日老計第0331007号厚生労働省計画課長通知)に規定する「認知症介護実践リーダー研修」及び認知症看護に係る適切な研修を指す。
④ 「認知症ケアに関する留意事項の伝達又は技術的指導に係る会議」の実施に当たっては,登録ヘルパーを含めて,全員が一堂に会して開催する必要はなく,いくつかのグループ別に分かれて開催することで差し支えない。
また,「認知症ケアに関する留意事項の伝達又は技術的指導に係る会議」は,テレビ電話装置等を活用して行うことができる。この際,個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」,厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を遵守していること。
⑤ 「認知症介護の指導に係る専門的な研修」とは,「認知症介護実践者等養成事業の実施について」,「認知症介護実践者等養成事業の円滑な運営について」に規定する「認知症介護指導者養成研修」及び認知症看護に係る適切な研修を指す。(令 3 老高0316・3等)
■介護職員処遇改善加算について
介護職員処遇改善加算の内容については,別途通知(「介護職員処遇改善加算及び介護職員等特定処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」)を参照する。(平 24 老高0316・ 1等/令 3 老高0316・ 3等)
■介護職員等特定処遇改善加算について
介護職員等特定処遇改善加算の内容については,別途通知(「介護職員処遇改善加算及び介護職員等特定処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」)を参照する。(令 1 老推0813・ 1等/令 3 老30316・3等)